時計じかけのオレンジ:アントニイ・バージェス 乾信一郎 訳

事前情報無しで読了。映画化もされているとのこと、先に映画を観なくて良かった…グロ耐性ゼロの女なので映画は無理でしたね。笑

近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫るースタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。

この本は、主人公アレックスの目線で、アレックスが語り手となって進んでいく物語。ロシア語なまりの独特なしゃべり方を翻訳で表現するのはさぞ難しかったかと思います。読み手としてもとっかかりに違和感を感じ、大変な本を読み始めてしまったか!?と思ったほど。ページ数は文字も余白ギリギリにぎっしり詰まった310ページ。読み応えたっぷりです。

いよいよ警察に捕まり刑務所で過ごすことになったアレックス、ここでの出来事がしんどいのなんの。国家の新更生法ルドビゴ法の描写では、薄目でスキップしながら読み進める場面もチラホラありました。アレックスの大好きな音楽を彼から奪うなんて・・・かわいそうに・・・。そして更生が成功しシャバに戻れたアレックスですが、居場所がなくさまようことに。かわいそうに・・・

語り手がアレックス本人なので、良くない奴とは分かっていてもつい寄り添ってしまう。面白いですね。

1960年代の本ですが、2024年の今よんでも内容に絶妙な近未来を感じます。

海外の小説で、わざわざ日本語に翻訳されているなんて絶対面白いに決まっている。今後もそんな海外小説も積極的に手に取りたいと思います。

コメント