聖母:秋吉理香子
東京都藍出市で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。
事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘は無事だろうか、と不安に陥る。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。娘を守るため、母がとった行動とは…
親の愛、警察の動き、犯人の手口、すべてがつながった瞬間の衝撃がすごい。作者のトラップにまんまとはまり、つい再読してしまう&しばらく余韻に浸れるミステリー小説です。
久しぶりに読んだ推理小説、面白すぎました。不妊治療の末やっと授かった娘と母親の話ですが、してやられました。不妊治療のリアルを知ることができたのも嬉しい。
女性である作者自身、望みながらもなかなか授からなかったことや、念願かなって子育てをする中で喜びを感じながらも、もしも突然この幸せが奪われたらとふと恐怖を感じることなどの経験から、2年の構想期間を経て生み出された作品のようです。通りでリアルな訳。
推理小説好きな人はもちろん、全親に読んでほしいです。親として共感できる場面が多いこと間違いない。
真犯人を捕まえようと必死な母親に感服ですが、描写されていない結末、あの優秀な警察なら真実に辿り着けたのではないかな…。
作者の他著書も手に取ってみようと思います。
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