子育てがプラスを生む「逆転」仕事術:小室淑恵

アイキャッチ画像:UnsplashCorinne Kutzが撮影した写真

はじめに

 現在、生後4か月の子どもを育てている私。少しずつ育児にも慣れてきて、自分に目を向けたときに、育休復帰後のイメージが湧かなかったり、専業主婦になることが頭をよぎったり、スキルアップしたいなと漠然と考えたりしていましたが、本書を読んでこれまで以上に自分が成長して働き続けるビジョンが見えました
 生後3週間で起業し、家族時間を大切にしながら仕事をこなす著者の姿勢には感銘を受けました。特に驚いたのは、この本が10年前のものであることです。今でこそワークライフバランスの意識は高いですが、著者のコンサルティングにより改善した会社も多数あることを考えると、10年前からこの信念を持って社会貢献している著者の素晴らしさに感動しました。仕事の見える化の重要性やそのやり方についても非常に勉強になりました。

各章で学べることと気づき

  • 第一章:妊娠・出産をためらわない
     出産のタイミングはいつがベストなのか?という悩みも、著者に言わせると職場でのコミュニケーションの取り方次第でいつでもベストタイミングになるそうです。また、妊娠がわかったらなるべく早く直属の上司に伝えることが大切。つわりで体調が悪くなる可能性や、流産のリスクがある時期には、自分の体調や変化に気を張らなければならないため、仕事の調整が必要になるからです。
     私も、上司へは心拍確認ができてすぐに報告し業務調整をしてもらいました。おかげでストレスなく働けたと思います。また、同僚への報告は安定期に入ってからで問題ないと思いましたが、私の場合は結局みんな知っていたので「おめでとう!」と言われました(笑)。

  • 第二章:育休期間をスキルアップの期間に・妊娠中にできるとこ、引継ぎや復帰時のコツ
     産休育休はブランクではない。その期間をスキルのブラッシュアップ期間にしよう!という考え。これも今時そういう考えの人が多いのかなと思います。でも、専業主婦になろうか・・・という考えがチラッと浮かぶ私は、この章を読んで改めて育児に慣れた時期にスキルアップを目指すことの重要性を再認識しました。

  • 第三章:ワークライフバランスの大切さ・育児とキャリアアップ
     この章では復帰してからの働き方についての的確なアドバイスが記されています。ママであってもそうでなくても、働いている全ての人が活用すべき業務の工夫が書かれており、復帰後に活用したいと今からワクワクしています。仕事の見える化や業務内容の共有についても触れられており、これは仕事だけでなく家庭内でも同じことが言えます。家族で家事と育児の分担を上手にやることで、家族時間を充実させることができます。
     著者は、毎月15日までに翌月どうしても保育園のお迎えに行けない日程を旦那様に共有し、旦那さんも送り迎えが不可な日はシッターさんにお願いするという方法を取っていたそうです。シッターさんとの情報共有にはシッターノートを活用し、積極的なコミュニケーションの重要性を主張しています。 

いざ復職!実践的なアドバイスもたくさん

 本書全体を通してコミュニケーションの大切さが強調されていますが、特に私が実践しようと思ったのが“助けてくれた人、手伝ってくれた人へのお礼メールのCc.に上司も入れる”ということ。当事者間で終わらせず、上司も巻き込むことで手伝ってくれた人の評価が上がり、自分の現状も伝わりやすくなります。予め上司に「私は子どもの急な熱などで早退や休むことがあるかもしれません。サポートいただいた方へのお礼をメールするときはCc.で同送しますので、一言フォローいただけるとこれからも仕事がしやすくなります。ご協力お願いします」と話しておくのがポイントです。
 確かにその通りですよね。職場の雰囲気が良くなりそうです。復帰後は特に子どもが保育園に通い始めた頃で、いわゆる保育園の洗礼を受けます。ひっそりと肩身狭く過ごすのではなく、堂々と周りを巻き込んで風通しの良い職場作りに貢献したいと思います。 

結論

 子育てをしながらでも、自分自身が成長し続けるイメージを持つことができました。
 妊娠・出産を控えている人、復帰を控えている人、育児をしながら働いている人、仕事と子育ての両立を無理だと感じている女性にオススメです。もし旦那さんが家事育児をしない!というような不満を持っている方も読んでみてください。詳細に、どう旦那さんと接するのが良いのか正解が書かれています。 


コメント